処方される頻度の高いヒアレイン点眼(精製ヒアルロン酸ナトリウム)がついに市販薬として登場します。
ドライアイやコンタクトレンズを使用している人は処方されたことがあるかもしれません。
今回は令和2年9月16日に発売予定のヒアレインSについて紹介します。
この記事の内容
そもそもヒアレインとは?
ヒアレインは精製ヒアルロン酸ナトリウムを主成分とした目薬です。
角膜のキズの治りを促す、目の乾燥を防ぐ効果があり、ドライアイやコンタクトによる傷などでよく処方されています。
ヒアレインSについて
ヒアレインSの概要を紹介します。
- 発売区分:要指導医薬品
- 有効成分:精製ヒアルロン酸ナトリウム0.1%
- 効能効果:目の渇き、異物感、疲れ、かすみ、コンタクトの不快感
- 用法用量:1回1滴、1日5~6回点眼
まず、区分が要指導医薬品となっています。つまり、薬剤師のいる店舗でのみ購入可能です。
ドラッグストアならどこでも購入できるわけではないので注意してください。
要指導医薬品については後述します。
それ以外は基本的には処方薬と一緒ですが、少し注意点もあるので掘り下げていきましょう。
処方薬との違い
市販薬のヒアレインSと処方薬のヒアレインは大きな違いはありません。
ヒアレインSが5mL2本入りなので、1本あたりの量も同じです。
ただし、効能効果が若干異なります。市販のヒアレインSは『ドライアイ』に使用してよいとは書いていません。あくまで目の渇きに使用とのことなので、ヒアレインSをドライアイに使用することはできないことになります。
また、処方薬のヒアレインには濃度が0.1%のものと0.3%のものが存在するという点も違います。ヒアレインSは処方薬の0.1%と同じ濃度という事になります。
ヒアレインSはコンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズを除く)の上からも使用可能で、これは処方薬と共通しています。(医師の判断でコンタクトレンズの上から使用不可の場合もあります)
他の市販薬との違い
目の乾燥に使用する他の目薬にもヒアルロン酸は添加物として入っていることがあります。
しかし、濃度はヒアレインのほうが高いです。
そして、市販の他の乾燥を防ぐ成分であるコンドロイチンやミネラル成分よりも成分自体の効果は高いと考えられます。
市販の他の目薬で効果を実感できていない場合に、ヒアレインを試してみるのもよさそうです。
要指導医薬品について
要指導医薬品について簡単に紹介します。
- 処方薬から初めて市販薬に登場(スイッチ化)した医薬品は要指導医薬品として扱われる
- 薬剤師の対面による書面での販売が義務付けられている
- ネットでの販売はNG
今回のようにヒアレインSが要指導医薬品として発売されたら、3年間は要指導医薬品のままです。
その後、1年間は第1類医薬品(薬剤師からの販売、ネットで購入可)となり、そこから審査次第で第2類医薬品になります。
つまり、薬剤師なしで購入できるようになるには最短で4年間(原則)かかるという事です。
Q&A
よくある質問を紹介します。
病院でヒアルロン酸ナトリウムPFを使っています。違いはありますか?
PFというのはPreservative Free(防腐剤無添加)の頭文字からつけられています。
つまり、防腐剤が入っているか、入っていないかの違いがあります。
防腐剤が入っていない分、容器が特殊で点眼しにくいなどあるかもしれませんが、より目に優しい薬として医師が処方することが多い印象です。
処方薬と市販薬の金額はどれくらい違いますか?
だいたいの金額で計算します。
処方薬の場合、眼科受診(初診)で1000円、ヒアレイン2本の処方せん(先発品)で750円とすると計1750円です。
ヒアレインSは2000円前後なので、若干処方薬のほうが安くなる計算です。
もちろんジェネリックにすればもっと安くなりますし、病院では再診ならもっと安くなります。
病院や薬局の体制によって安くも高くもなるので比較は難しいですが、一つの目安にしていただけたらと思います。
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