酸化マグネシウムと鉄剤はどちらも身近な成分で、鉄剤はサプリメントにも入っているので飲んだことがある人も多いのではないでしょうか?
そして、これら2つの薬を一緒に飲む機会もあったかもしれません。
今回は、この酸化マグネシウムと鉄剤を同時に飲むと効果はどうなるのか解説します。
この記事の内容
それぞれの使用目的
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは主に便秘に対して使用します。これは、酸化マグネシウムが腸で水分を引き寄せる作用があるためです。
また、制酸作用があるので胃炎などに使うこともあります。
市販薬では便秘薬、胃薬どちらも購入可能ですが、胃薬の場合は補助的に入っている程度です。
鉄
鉄は貧血に対して使用します。
鉄剤は医薬品だけではなく、サプリメントとしても販売されていますね。
鉄の役割は体内でヘモグロビンを作ることです。ヘモグロビンは酸素を体全体に届けるために必要なのですが、鉄が不足するとヘモグロビンも少なくなってしまい、体全体に酸素をうまく届けることができません。
そうなると酸素不足で動悸や息切れ、疲れやすいなどの症状が出ます。
これがいわゆる貧血の症状です。
一緒に飲むとどうなる?
酸化マグネシウムが鉄の吸収を妨げてしまいます。
酸化マグネシウムは胃や腸で働くので吸収される必要はありません。一方、鉄は血液中で働くので吸収させる必要があります。
つまり、吸収させなくていい酸化マグネシウムによって、吸収させたい鉄の吸収が妨げられてしまうのです。
酸化マグネシウムによって胃の中のpHが上がる(制酸剤のため)
↓
pHが上がると鉄剤が溶けにくくなる
↓
鉄同士が集まって大きくなるため吸収されにくくなる
どうやって飲むべき?
鉄の吸収を酸化マグネシウムに邪魔させないためには、以下の方法で飲むのがよいと言われています。
鉄剤を先に飲む場合
鉄剤→酸化マグネシウムで飲む場合は、鉄剤を飲んでから2時間以上あけるのがよいでしょう。
逆の場合、もう少し時間を空ける必要があるのでこちらの順番で飲むのがオススメです。
鉄剤は胃がムカムカする副作用が出やすいので食後に飲むことが多いですが、酸化マグネシウムはそういった副作用は出にくいので飲む時間はいつでもOKかと思います。
食後に鉄剤を飲んで、そこから2時間以上あけて酸化マグネシウムを飲むといったパターンがよさそうです。
酸化マグネシウムを先に飲む場合
酸化マグネシウム→鉄剤で飲む場合は、酸化マグネシウムを飲んでから3~6時間はあけるのがよいでしょう。
こちらの方法は結構時間を空けなければいけないので、食後に酸化マグネシウムを飲むパターンはあまりオススメできません。
鉄剤は胃がムカムカしないように食後に飲むことも多く、このパターンでは鉄剤を飲むタイミングがコントロールしにくいです。
服用例
上記の点を踏まえて、鉄剤を1日2回、酸化マグネシウムを1日3回飲む場合の服用例を紹介します。
なかなかこのように時間を空けるのは難しいかと思いますが、参考になれば幸いです。
また、酸化マグネシウムは調節して飲むことも多いので、1日3回よりも少ない回数で飲んでいる場合はもっと楽になるかと思います。
まとめ
ここまで鉄剤の吸収を妨げないための飲み方などを説明してきましたが、同時に飲んでしまっても効果が無くなるわけではないです。
鉄剤は継続して飲むことで体内に鉄が少しずつ蓄えられていき、貧血の改善につながります。
飲み合わせに気をとられてしまって飲み忘れてしまうより、気にせずに同時に飲んでしまった方が効果的な場合もあるので、飲み方や飲み合わせで気になることがあれば医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
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