noteの市販薬解説はこちら!

ステロイド外用剤は保湿剤と混ぜると効果はどうなる?

ステロイドは副作用が怖い…そんなイメージを持ってる方も多いのではないでしょうか?皮膚科の処方せんを受けていると「ステロイドの副作用が心配」という声が頻繁に届きます。

ステロイドは適切に使用すれば副作用も少なく治療効果が期待できる薬なのですが、副作用が心配だからといって医師の説明と異なる使い方をしてしまっては逆に副作用の可能性が高くなる場合があり危険です。

その中で、今回はステロイド外用剤を保湿剤で薄めれば安全なのでは?という考えについて解説します。

ステロイド外用剤は保湿剤と混ぜても効果は基本的に変わらない

ステロイドの外用薬と保湿剤を混ぜたとき、塗る量が同じならステロイドの濃度が薄まって効果も弱まり副作用回避になるのでは?と考えるのが普通かと思います。

しかし、ステロイドの軟膏はそんなにうまくはいきません。

5gのステロイドと5gの保湿剤を混ぜた時、ステロイドの濃度は半分になりますが効果は半分にならずに元のまま、そして副作用の出やすさも変わらないと考えられるんです。

では、なぜそんなことが起きるのかを次で説明します。

なぜ効果が変わらないのか

イメージが少しでも湧きやすいように図で説明したいと思います。

ステロイドと保湿剤を混ぜた時のイメージ図です。

ステロイドの外用剤ではステロイド成分は基剤(ステロイドを溶かすためのもの)に溶けきれないので大部分が結晶として存在しています。

ステロイドの効果は基剤に溶けている部分が皮膚を透過して効果を示す1)と考えられるので、この状態で保湿剤を混ぜても溶けきれていなかったステロイドが保湿剤に溶け込むだけで効果は変わりません。

図のPOINTでも説明していますが、ステロイドと保湿剤を1:1で混ぜた時は以下のような状態です。

・全体のステロイドの濃度は半分
・効果を発揮できる(基剤に溶けている)ステロイド濃度は変わらない
・効果を発揮できる(基剤に溶けている)ステロイド量は2倍

少しややこしい話になってしまいましたが、ステロイド製品の特性上、基本的には保湿剤と混ぜても効果や副作用のリスクは変わらないという事です。

1)J pHARM Sci 2008:97: 2936 – 2947

こんな例では効果が変わる可能性あり

混合することによってステロイドの強さなどがどう変化するのか、例を挙げて紹介します。

効果が弱まる例

ステロイドのクリーム剤では軟膏と比べると効果が弱まる場合が多いです。

これはクリーム剤ではステロイドが基剤に溶けている割合が高く、保湿剤を混ぜてもその保湿剤に溶け込めるほどの量が余っていないので吸収される部分のステロイド濃度が薄くなると考えられてます。

実際にどのクリーム剤だと効果が弱まるかについては知られていないことが多いですが、軟膏と比較するとクリーム剤では効果が弱まるのが一般的です。

また、軟膏ではフルメタ軟膏アルメタ軟膏はもとから基剤にステロイド成分が完全に溶け込んでいるため効果が弱まると予想できます。

効果が強まる例

ステロイド外用剤と保湿剤を混ぜても効果は変わらないと説明しましたが、効果が強まってしまう例があります。

例えば5gのステロイド1本を5gの保湿剤に混ぜて使用するとします。

本来、保湿剤を使用したあとに5gのステロイド1本を使用するとその5g1本分のステロイドを塗ったことになりますよね。

一方、混ぜた場合はどうでしょうか?5gのステロイド1本を保湿剤5gに混ぜると効果を発揮するステロイドは5gではなく10gになってしまう可能性があります。(上の図を参照してください)

混ぜた後、10gのうち5gだけ使用すればいいですが、 薄まったと思って10gを本来使わなくても良い場所まで塗ってしまう、皮膚の薄い部分(顔など)のような本来使うべきではない部分に使用してしまうのはNGです。本来、リスクを回避するために薄めたつもりが、逆に効果が強くでて副作用のリスクが高まる可能性があります。

ステロイドを先に塗って直後に保湿剤を上から塗る場合も同様で、皮膚の上で混ざってしまう可能性があります。医師から指示が無ければ保湿剤を塗ってから症状のある部分にだけステロイドを塗るのが良いでしょう。

よくある質問

ここではよくある質問を紹介します。

ジェネリックでは効果はどうなる?

ジェネリックは先発品と同じ成分でも基剤に溶け込んでいる量が変わってきます。(成分は同じでも基剤が異なるため)

そのため先発品と全く同じ結果にはなりませんが、基本的には溶けきれていないステロイドが存在するので混ぜても効果は変わらないと考えられます。

まとめ

ステロイドと保湿剤の混合は基本的に薄めるためのものではないということを理解しておきましょう。

医師は症状に合わせて適切な強さのステロイドを適量処方しています。これをリスク回避のために自己判断で薄めようとしてしまうのは逆に副作用のリスクが高まってしまう場合があるので処方通りに適切に使用することが大切です。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です